中小企業診断士試験

私の合格体験記

読者のみなさん、こんにちは。うじょんです(自己紹介はこちら)。 

今日は中小企業診断士試験の受験生の方々へ、私の合格体験についてご紹介します。

勉強開始から合格までの流れを把握するのにお役立てください。

合格までの道のり

私は勉強を開始してから4年目に合格しました。

1次試験を3回、2次試験を3回受験しています(下表)。

R1年度 R2年度 R3年度 R4年度
1次試験 不合格 合格 受験せず 合格
2次試験 なし 不合格 不合格 合格
受験会場 名古屋 名古屋 東京 東京
勉強方法 独学 独学 通信 独学

 

R4年度に合格した際は、1次、2次試験ともに独学です。 

特に独学の方は、勉強方法が本当に良いのかどうか不安ではないでしょうか? 

私もめちゃくちゃ不安でした。 

合格までの4年間勉強しましたので、それなりにいろいろな方法と向き合い、

本当にこのやり方でよいのだろうか?

悩み、そして失敗もして自分なりに試行錯誤して勉強してきました。  

さまざまな方法を試したりしましたが、最終的にふりかえって1次試験、2次試験それぞれの合格の秘訣について最初に結論を記載します。 

<1次試験合格の秘訣>

  1. 過去問完全マスターによるヨコ解き3回転以上
  2. 得意科目をもつ。あるいは得意な問題(ジャンル)を少しずつ増やす
  3. 暗記系(情報、法務、中小)は最後まであきらめず復習

<2次筆記試験合格の秘訣>

  1. 1次試験知識を大切にする
  2. 100字トレーニングで問題をみて回答を連想できるようになる
  3. 勉強会でアウトプットと比較の場をもつ

4年目の合格は、3年間の1次試験と2次試験の経験が活かされています。

みなさんは4年も試験勉強にかける必要はありません。

私の失敗から、1年間で合格できるコツを知って試験勉強期間を短くしてください

1年目:1次試験の失敗談

インプット重視で非計画的な勉強

最初に受験した1次試験の結果は、運営管理、経済、情報システムの3科目合格。 

残り4科目は不合格でした。 

このとき中小企業経営・政策は全く勉強せずに受験しています。 

財務・法務もほとんど勉強できていません。 

敗因は、1次試験を1回で受かる気がなく2回くらいはかかるだろうと

最初からあきらめていたこと。 

気持ちから計画的に全科目合格するスケジュールを組んでいませんでした。 

受験も最初なのでインプット中心の勉強方法になってしまいました。 

 

1次試験の7科目をどういう順番で勉強を進めるべきでしょうか?

知識が少ない科目はどうしても、科目全体を勉強しようとしてしまいます。

また、インプット中心になってしまいます。

そのため、後回しにした科目はどうしても取り掛かりが遅くなってしまいます。 

結果、アウトプットが少なく勉強時間も足りず、計画的に勉強ができず

試験に合格するための効率的な勉強ができなくなりました 

 

過去問を解く問題数が少なかった

1年目はスタディングのアプリで過去問題を解いていたのですが、

スタディングの過去問題だけでは問題数が少ないと思います。

アウトプットが非常に重要になりますので、スタディングをやられている方も

苦手な科目については、過去問完全マスターを追加するなどして

徹底したヨコ解きをおすすめします。 

※ヨコ解きとは、カテゴリ毎の類似問題を徹底的に学習を繰り返すこと。

一方、タテ解きとは、過去問題のように問題をタテにランダムに学習すること。

2年目:1次試験の合格談

得意科目を保険に追加 

1回目に3科目(運営管理、情報システム、経済学)が科目合格でしたので、

2回目の1次試験は残り4科目受験が必要だったのですが、

得意科目の情報システムを加えて5科目受験しました。

もし得意科目がある方は得点源として追加することも選択肢として考えてみてください。

残り科目は暗記系が多いので苦労しましたが、作戦通り情報システムが点数をけん引。

最後の最後まで何度も問題を繰り返して暗記系の法務と中小をなんとか50点以上まで

もっていき合格することができました。

得意科目を作っておくことは保険となりましたが、年度によっては難化することもありますので、苦手科目も半分の50点以上取れるようにしておくことも重要になります。 

2年目・3年目:2次試験の失敗談

1次試験の知識の重要性に気が付かなかった 

前年度に1次試験合格していた科目の運営管理は2次試験の事例Ⅲに大きく関連します。

ただ私は1次試験で科目合格していたので2次試験前にはまったく勉強しませんでした。

2次試験の知識は1次試験の用語を説明できるレベルまで応用することが求められます。

1次試験が合格済みで2次試験のみを受ける場合は特に、2次試験のために1次試験の復習が重要なんです。

私は、1次試験合格後に2次試験を受験する場合はとにかく期間が短いので、運営管理の基礎知識を振り返ることが2次試験勉強期間ではできずに結局2次試験でも事例Ⅲは点数を伸ばせず不合格でした。 

自分の実力を知るための仲間の存在 

2次試験を独学で実施している方も多いのではないでしょうか?

独学の方は特に、自分の回答案を他の方に見てもらう機会がほとんどないと思います。

2次試験1回目の私はほとんど自分の回答案を添削してもらうことはありませんでした。 

自分の回答が「ふぞろい」のみんなの答えと同じであればOKとしていませんか?

過去問のキーワードにだけ注目してしまうと、文脈やストーリーが問題の題意と大きくずれてしまうという大きなワナがありますので注意が必要です。

2次筆記試験の答えはみんなと同じ答えをわかりやすく記載することが重要とよく言われます。

独学で自分の答えが合っているのかどうか心配になっている方はぜひ勉強会に参加してみてはいかがでしょうか?

自分の答えを説明すること、自分の答えを指摘してもらうこと、勉強仲間と比較できる場をもつことが自分の答えを客観的にみることになりますのでとてもお勧めします。 

予備校行けば(通信講座でも)受かるだろうという甘い考え 

1年目の2次試験で独学の限界をすぐに悟り、2年目は予備校の力を借りようと考えました。 

当時、石川県在住だったので予備校に通うという選択肢はなく、通信講座の中から自分に合いそうな予備校の講座を探しました。

予備校のカリキュラムをある程度こなせば受かるのでは?

と安易に考えていたことが甘かったのです。 

 特に2次試験特化の予備校ですと、1次試験の知識補填などはほとんどやらないので、

1次試験の知識が忘れかけている2年目は特に注意が必要です。

予備校のカリキュラムに沿って勉強をしてきましたが、予備校の講義のインプット中心となってしまいました。

勉強会への参加など自分の解答をアウトプットして評価してもらう機会が少なく、

結果、ボキャブラリー不足と質問への答えをすらすらと書けるレベルまでにはなれず

対応力不足で失敗しました。 

2年目・3年目:事例Ⅱが2年連続足切り 

事例Ⅱは与件文や出題の意図から大きく外れた、自分の経験や意見を書いてしまう、いわゆるポエム化しやすく、与件文に沿わない解答をすると足切りになります。 

私は2年連続で過去問ではある程度どんな問題も題意に沿って解けるのに、本番では情報整理ができず出題者の意図の回答ができない結果、意味不明なポエム的回答を書いてしまって失敗しました。 

初めての問題でもSWOT分析で内部・外部環境を明確に分析し、その中でも何がその会社の持続的な強みなのかを見極める力がなかったこと、回答にストーリー性を持たせるパターンをある程度、持っておけなかったことが敗因でした。 

私の試験結果

■ 1次試験

経済 財務 経営 運営 法務 情報 中小 合計
1年目

(60点)

×

(40点)

×

(53点)

(64点)

×

(48点)

(76点)

×

(26点)

×

367点

2年目

(72点)

(65点)

(56点)

(80点)

(57点)

330点

3年目 〇 

(68点) 

× 

(48点) 

〇 

(65点) 

〇 

(65点) 

〇 

(72点) 

〇 

(68点) 

〇 

(62点) 

〇 

448点 

■ 2次筆記試験結果

事例Ⅰ 事例Ⅱ 事例Ⅲ 事例Ⅳ 合計
1年目

(65点) 

(33点) 

(53点) 

(33点) 

184点 
2年目

(67点) 

(33点) 

(50点) 

(50点) 

200点 

3年目

(63点) 

(50点) 

(71点) 

(63点) 

247 

合格した年に変えたこと

合格したR4年度は1次試験からやり直しの年になります。 

前年度の試験合格発表から2か月くらい全くやる気が起きず、

結局、勉強を開始したのは3月。

ここまでの3年間を無駄にしたくない。合格しないと一生後悔する。 

その思いが再度、チャレンジするモチベーションになりました。 

ただ、今まで通りの試験勉強ではいけない。1年間で合格するためには1次試験をまずしっかり知識から学習しなおし、特に2次試験科目は2次試験知識として重点的に学習するように心がけました。

100字トレーニング 

最近、予備校でも独学の勉強法でも流行っていますね、100字トレーニング。

2次筆記試験は100字で書かせる問題が多いので、100字の感覚をつかむのに最適な勉強法です。

私はこのトレーニングを初めてR4年度から開始しました。

まとめシートの特典だった100字トレーニングの問題集、全知全ノウの問題集を参考にしました。

毎日こつこつと1日1問以上100字トレーニングをしました。

質問に対する答えの方向性を一貫して覚えることで、ある程度、初見問題でも答えの方向性を見いだせることができるようになります。

勉強会に参加(ココスタ) 

R4年度から初めて勉強会に参加しました。

勉強会に参加する価値は、指摘をもらうことよりも自分の意見を伝えることで自分の意見に自信を持てることです。

自分の言葉で問題の理解や意見を伝えることが自分の理解を深めることになるのです。

初めての方は勉強会ってちょっと緊張しますよね?

大丈夫です。

最初は緊張するかもしれませんがファシリテートしてくれる方がいて初心者でも始めやすい環境ですよ。

ファイナルペーパー作成 

ファイナルペーパーって聞いたことはあるでしょうか?

ァイナルペーパーとは、試験直前や試験日に事例ごとの特に大切なことをまとめた資料です。

最終的に何が大切なのかポイントを整理することができます。

2次筆記試験は、自分の解答方法(解法)を体にしみ込ませることが、本番の緊張を和らげて自信につながります。ファイナルペーパーにも事例ごとの解法を記載して、呪文のように繰り返し唱えることで、精神面含めて安定させるためのおまじないとなります。

最初からゼロから作る必要がありません。

自分自身で良いと感じた人のファイナルペーパーをパクり、カスタマイズして自分のものにしましょう。

きっと試験日のお守りになるはずです。 

やっておけばよかったこと

模擬試験の受験 

模擬試験を実際に受けるべきかどうか悩みませんか?

実は合格年度は模擬試験0回でした。

一方、試験不合格だった2年目は模擬試験を3回ほど受けています。

ですので、模擬試験は受けなくても大丈夫ということではないんです。

模擬試験は本番当日の全く見たことがない与件文になれる意味でも受けておくべきです。

試験当日は本当に久しぶりに始めてみる問題を解くため、「初見の問題になれる」ことで

落ち着いて自分の解法で解くことができると思います。

私は試験本番の事例Ⅱでたくさんのキーワード攻めでどれがB社の持続的な強みで課題が何か?本当にあせってしまってあやうくC判定になるところでした。

模擬試験で本番当日の解法で冷静に解く練習をやっておけばよかったと後悔しています。

30日マスター事例Ⅳ 

財務・会計の科目や事例Ⅳに苦手意識をもっていませんか?

実は私もそうでした。でも大丈夫。

そんな方も毎日コツコツと1問だけでも財務・会計問題に触れておくことで実力は強化できます。

私は、2次試験勉強としては「事例Ⅳ(財務・会計)の全知識・全ノウハウ」を毎日コツコツ勉強していました。こちらの問題集も非常に有効ですが、過去問中心でちょっと最初からだととっつき難い人もいるかと思います。

そこでおすすめは、「30日マスター事例Ⅳ」です。

私は試験を受ける前にこの問題集を買いませんでした。

2次試験終了後に私は不合格と思っていたので、次年度のために事例Ⅳだけは知識を落とさないように復習をしようと思い、試験後に初めて「30日マスター事例Ⅳ」を購入しました。

その際見返すと、なんと「経営分析の問題の生産性の問題」に触れていました。

なんということでしょう。事前に触れていればもしかすると解けていたかも。

試験後だったので目に触れただけで、試験前でも気が付かないことはたくさんありますが、非常に悔しい気持ちでした。 

過去問だけではなく、過去問以外の応用が利く学習をすべきでした。 

 

伝えたいことまとめ

<1次試験合格の秘訣>

  1. 過去問完全マスターによるヨコ解き3回転以上
  2. 得意科目をもつ。あるいは得意な問題(ジャンル)を少しずつ増やす
  3. 暗記系(情報、法務、中小)は最後まであきらめず復習

 

<2次試験合格の秘訣>

  1. 1次試験知識を大切にする
  2. 100字トレーニングで問題をみて回答を連想できるようになる
  3. 勉強会でアウトプットと比較の場をもつ

 

今回の失敗談を踏まえた合格体験はあくまで概要になります。

1次試験、2次試験の合格の秘訣やノウハウについては別機会に詳細を話したいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。 うじょん