中小企業診断士試験

中小企業診断士2次試験 ファイナルペーパー【事例Ⅰ】

読者のみなさん、こんにちは。うじょです。自己紹介はこちら 

中小企業診断士の2次筆記試験 について

「最終的に大事なポイントは何なのでしょうか?」 

この記事では、私が作成した「ファイナルペーパー」を元に最重要ポイントをまとめた
内容をお伝えします。事例Ⅰの全体像把握やご自身のファイナルペーパー作成にあたり
パクッてカスタマイズしていただければと思います。 

このような方に特におすすめする記事です

・事例Ⅰの最重要ポイントの概要全体を把握したい方 

・これから事例Ⅰを勉強する方 

・事例Ⅰのファイナルペーパーの内容を知りたい方 

中小企業診断士試験のファイナルペーパーとは?

ファイナルペーパーは中小企業診断士試験前に学んだ知識の中で最も重要と考える
内容の総まとめ集です。

2次試験会場に持ち込み、休み時間に最後の仕上げとして見直すことをおすすめします。

今まで学んだことの総まとめであり、ご自身の最重要ポイントをまとめたものなので、
その内容を信じて2次試験に挑むためのお守りとしても活用できます。

事例と事例間の休み時間は短くて40分。男性の場合、トイレの待ち時間などを考慮すると
20分ほどで見直しができる量にしておくことが適量でしょう

私のファイナルペーパー(事例Ⅰ)

心構え

  • 絶対に受かる実力をもっているので大丈夫。自分を信じること。
  • 最初の試験。時間に注意して60点以上の解答を確実にしよう。
  • 変な迷いやこだわりはすてて思い切って書く
  • 難問は必ず来る!!自分のペースは乱さない。難問は最後に解く。

心構えに記載した内容の解説

まずは試験会場での心構えについて心を落ち着かせるために書いています。
最後は自分を信じることが大事になります。
「絶対に受かる」と強い気持ちをもって試験に臨みましょう。

事例Ⅰは最初の試験になりますので緊張があるかもしれません。
初見問題ですのでどうしても過去問練習と比較すると、時間がかかります。
また、事例Ⅰは問題の趣旨がよく理解できない場合があり、解答用紙へなかなか解答を
書けないことがあります。
時間に注意して思い切って書くという強い気持ちを持ちましょう

事例Ⅰは設問の解釈が難しく何を問われているのかが明確ではない難問が必ずでます。
最初から難しい問題が出てくるしその場合、自分だけが難しいのではないので、自分の
ペースを乱さず難問は最後に解くようにしましょう。

中小企業診断士2次試験事例Ⅰの解答手順

  1. 受験番号を記載しましょう(忘れずに!)

  2. 与件文に段落をふりましょう(~2分)

  3. 設問文を読みましょう(~累計10分)

    • その際、青色ペンで制約事項に☆印をつける
    • 問題のレイヤーを確認する
      1. 経営戦略レイヤ
      2. 組織構造レイヤ(組織形態・5原則)
      3. 組織活性化レイヤ(組織文化・高次学習)
      4. 人的資源管理レイヤ
    • 答えを想像して関連するキーワードやメリデメを記載する
    • 解答の型を記載する
  4. 与件文を読みはじめましょう(~累計20分)

    • 赤色ペンで強み・機会などポジティブな表現をチェック
    • 特にキーワードとして引っかかる内容は緑色+☆マークを付ける
    • 青色ペンで弱み・脅威などネガティブな表現をチェック
    • 社長の想いなどは緑色二重線を引く
    • 事例Ⅰは各設問によって段落が分かれており、設問と段落を紐づけやすい
    • 設問に紐づく段落が出てきたら、設問文に段落番号を記載しましょう
  5. 解答を解く設問順の優先度をつけましょう(~累計25分)

    設問1と最終問題が同じ戦略問題である場合、設問1の後に最終問題を解くと、強みや機会を活用した今後の戦略をセットで解答ができ、統一感のある解答ができます

  6. 設問を解いて解答を書きましょう(~累計75分)

    • 1問あたり約7分を目安にする 8分×5問+5分=40分+5分(予備時間)
      解答は合計40分~50分を目途に解答
  7. 記載した解答を読み直して一部修正しましょう(~累計80分)

最後にもし時間が余ったら解答の見直しをしましょう。

事例全体を80分で解けるように時間をかならず図って過去問練習をやりましょう。

中小企業診断士2次試験事例Ⅰの特徴と攻略法 10選

①基本は差別化集中戦略

事例Ⅰの企業は中小企業です。経営資源が限られる中、差別化集中戦略でニッチ市場で他社と差別化を図り、高付加価値な商品やサービスを提供していくことが大きな戦略であることが多いです。

②人事・組織の設問だけど戦略も大事

事例Ⅰは人事・組織に関する設問ですが、戦略系の設問が最近は多いです。

チャンドラーの「組織(人事)は戦略にしたがう」が基本だからです。

③与件文からの抜き出し問題は優先度”高”

与件に答えがあります。答えになりそうなキーワードがたくさんある場合もあります。その中から特に設問の答えとして適しているキーワードを抜き出しましょう。

④「強み」と「環境変化」が重要

設問1でよく問われるのが、「強み」と「外部環境の変化」です。

時系列で事例Ⅰの企業の歴史や現状に至るまで背景が記載されます。
これは、存続の危機や事業拡大の機会などの外部環境変化に対して
内部環境がどのように追従できたのか、
またはできていないのか?に注目して
与件文を読みましょう。

そして、設問はどの時期の内部環境「強みや弱み」のことを聞いているのか?
または外部環境「機会や脅威」のことを聞いているのか?をきちんととらえて解答
することが大切です。

⑤事例のテーマを決める

その年の事例Ⅰの問題全体のテーマを決めると、各設問の解答がぶれず全体的に統一した
解答が書けます。ぜひ全体統一した解答を書くのが苦手な人は、全体的に何をテーマに
しているのか?を意識してみてください。

例えば「人材の多様化と組織活性化」などのテーマの問題などがあげられます。
最近の事例では最も大きなテーマは「事業拡大」「事業存続」「事業承継」が多いですね。

⑥思いつきのキーワード禁止

答えは必ず与件文にあります。

思いつきでキーワードを追加しないでください。与件文に寄り添ってください。

これは出題者に「私は与件文にしっかり寄り添った解答をしていますよ」のアピールです。

与件文にあるキーワードを使う、これは基本ですのでぜひ練習しましょう。

⑦助言問題は必ず効果を書く

中小企業診断士として、助言を求める問題が必ず出題されます。

その場合、企業のアクションだけを提案するのではなく、そのアクションを実施したら
どのような効果があるのかをそっと最後に記載します。

⑧事例Ⅱになりすぎないよう注意

事例Ⅰはあくまで人事・組織の問題です。

事業環境について聞いてくるマーケティング的な要素を求める問題もあります。

ただ、事例Ⅱのマーケティングの解答のようになることを避けるために、どんな問題の解答
でも人事的な要素、組織的な要素を与件文のキーワードを活用してつけてください。

⑨繰り返しやわざとらしいキーワードに注意

与件文の中で、わざわざ『』をつけているキーワードや、繰り返し使われるキーワード
解答に使ってほしいと暗に示されています。どうしても使いづらいキーワードを無理に
使う必要がありませんが、解答の中で使いたいキーワードとして『』や繰り返しキーワード
がマッチしたらうまく取り入れて解答をつくりましょう。

⑩事例Ⅰのストーリー作りの方法

事例Ⅰで解答を作る際に参考になる基本的な考え方です。
この基本的な考え方に沿うように解答を作ることがとても重要です。

・強みは、活かす

・機会は、つかむ

・弱みは、克服する

・脅威は、避ける

・社長の想いは、叶える

・顧客の要望は、応える

・従業員は、士気づける

・組織は、活性化する

中小企業診断士2次試験事例Ⅰメリット・デメリット集

事例Ⅰの問題を解くのによく使われる1次試験の知識をまとめました。
覚えやすいように箇条書きにしていますので、ぜひメリット・デメリットの双方を
一度に覚えていきましょう。

多角化

メリット

・関連多角化の場合、既存事業とのシナジーを獲得

・新たな事業分野に進出することで経営リスクを分散

組織スラックを活用できる

デメリット

・既存事業とのシナジーが薄く強みを活かせないと経営資源が分散

事業ドメインの拡大

メリット

・顧客ニーズへの対応、経営リスク分散、既存事業とのシナジー

デメリット

・経営資源の分散、競争激化

先発企業

メリット

・後発企業に対して心理的な参入障壁を構築

イノベータ層を取り込める

経験曲線効果が得られる

デメリット

技術開発費、広告宣伝費がかさむ

・市場に受け入れられるか不確実な点

後発企業

メリット

・市場の不確実性を見極めて参入できる

・すでに市場が創出されているため、技術開発費や広告宣伝費を抑制

デメリット

・先発企業に参入障壁を構築される恐れ

経験曲線効果が働かないためコスト的に不利

機能別組織

メリット

専門性を発揮できる

役割分担が明確化

規模の経済が追及できる

組織の統制がとりやすい

デメリット

・トップの負担が大きく意思決定に遅れが生じる

全社的管理ができる人材の育成が困難

事業部制組織

メリット

トップが戦略に専念

現場の状況に即応

次世代の管理職を養成できる

デメリット

短期的判断になりがち

機能重複しコストが高くなる

・事業部間のセクショナリズムが生じやすい

カンパニー制組織

メリット

分権化により経営責任が明確化

迅速な意思決定ができる

トップの起業家精神を醸成できる点

デメリット

・カンパニー間の連携がとりにくい

・発言力が強くなりすぎ、本社に逆らえなくなる

持ち株会社

メリット

・事業リスクの影響を一定範囲に限定

部門に応じた労務条件とできる

・部門の業績を明確化

デメリット

・被持株会社間で経営資源が重複

・持株会社は被持株会社の事業運営には関与できない

マトリックス組織

メリット

・機能別組織と事業部制組織のいいとこどり

人的資源や情報が共有できる

範囲の経済が得られる

デメリット

ワンマンツーボスの状態になる

管理者による権力争いが生じる恐れ

成果主義

メリット

・比較的少ない費用で意欲向上が図れる

デメリット

・短期的視点や個人主義的視点に陥りやすい

留意点

・公平性、透明性の確保

・評価者と被評価者の十分な意思疎通

・基準や手続きなどの十分な説明

中小企業診断士2次試験事例Ⅰの代表的なフレームワーク

①さちのひも(人事施策)

採用・配置の「さ」:経験者の中途採用、適材適所の配置、非正規社員の正規社員登用

賃金の「ち」:成果主義的な給与体系

能力開発の「の」:OJT、Off-JT、外部研修、CDP、訓練

評価の「ひ」:成果主義、公平性や透明性のある評価、目標管理制度

モチベーションの「も」:上記の結果、社員の士気、組織のモラールの向上を図る

②けぶかいねこ(組織構造施策)

権限移譲の「け」:~について権限移譲を図る

部門の「ぶ」:事業部制組織、機能別組織、専門部署の設置

階層の「かい」:フラット化(ただし、中小企業ではフラット化はほとんどしない)

ネットワークの「ね」:外部連携、産学官連携

コミュニケーションの「こ」:会議体の設置、意思疎通の向上

③SECIモデル(暗黙知の形式知化)

・共同化:経験を通して暗黙知を他者に受け継ぐ

・表出化:例えば職人の技術をマニュアル化するというように個人が所有する暗黙知を言語化したり図や表にすることでメンバーと技術を共有するプロセス

・連結化:マニュアルを他の部署の視点を加えて整理する
形式知に別の形式知を組み合わせる

・内面化:マニュアルに書かれていることを覚えてマニュアルなしでもできるようにするなど形式知を個人の行動に落として暗黙知化する

まとめ

今回は私の中小企業診断士2次試験事例Ⅰのファイナルペーパーを元に、事例Ⅰの最重要ポイントをまとめました。

ファイナルペーパーは試験当日のお守りとして、休憩時間20分に今までの勉強した内容を
さらっとおさらいして、緊張を解きほぐすのにも効果があります。
ぜひ自分なりのアレンジをして、ファイナルペーパーを作成することをおすすめします。

みなさんの事例Ⅰの学習にお役にたてられればと思います。

ここまで長い文章を読んでいただきましてありがとうございました。 うじょん