読者のみなさん、こんにちは。うじょんです。
私が合格した令和4年度2次試験事例Ⅰの再現答案をご紹介します。
なぜそのような回答を書いたのか、本当はこうしておけばもっと良かった
という簡単な解説、反省を添えてご紹介したいと思います。
・過去R2年~R4年で連続A判定だった答案作成を参考にしたい方
・R4年度事例Ⅰの設問毎の解説や反省点を参考にしたい方
・合格者の再現答案とその答えに行き着いた受験時の心境や考えを知りたい方
R4年度 事例Ⅰ 総括
R4年度の事例Ⅰは63点(A判定)でした。
R2年度、R3年度ともに事例ⅠはA判定でしたので、
比較的安定的に60点以上が取れる回答答案を作成できていた
ということになります。
今回の事例Ⅰは昨年度と比較すると難化したと思います。
理由は解答の方向性がつかみづらかったためだと考えています。
設問は大きく4問でそのうち4問目が設問が2つに分かれ、
全5問で配点はそれぞれ20点です。
私は最後の4問目の設問2は時間が足りず、あせって思考が回らず、
本来は現経営者から娘への事業承継に触れながら権限移譲、人員配置
という戦略的な考えを記載しなければいけないところ、
小さな施策単位の視点で書いてしまったので大きく減点があったと予想しています。
そのような中、A判定が取れたのはおそらくR4年度では一番難しかったとされる
第3問である程度の解答の主旨にあった方向性を記載することができたためではないか
と想定しています。
この第3問である程度の解答ができた理由は、
「取引関係」から解答の方向性(キーワード)がいくつか思いついたため
「0」か「1」かの白黒はっきりした答えだけではなく、両方求める答えを探したため
だと思います。これができたことが合否を分けたといっても過言ではないです。
では、このような解答ができるコツを見ていきましょう。
第1問(配点20点)
A社が株式会社化(法人化)する以前において、同社の強みと弱みを100字以内で分析せよ。
強みは①作り方にこだわった有機野菜の栽培方法と経験豊富な従業員がおり②地元の菓子メーカと連携ができ③贈り物の高級商品が人気である。弱みは①季節的な繁閑による需給調整の問題があり②新規雇用者の定着が悪い。(100字)
第2問(配点20点)
A社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
施策は①柔軟な勤務時間に対応する為、フレックス制を導入し②休日や時間外対応の賃金を上げ③新参者と農業関係者間で定期的な交流会を開催し関係構築し④中途採用者も含めた新規採用者向け研修で一体感と帰属意識を高める。(100字)
第3問(配点20点)
A社は大手中食業者とどのような取引関係を築いていくべきか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
大手中食業者の厳しい要求水準に応え、対応力とノウハウを蓄積して更に大手中食業者から信頼を獲得する。一方、大手中食業者の依存度に留意しつつ、自社の新品種の開発にも力を入れて併存する方向性が望ましい。(98字)
第4問(設問1)(配点20点)
A社の今後の戦略展開にあたって、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A社は今後の事業展開にあたり、どのような組織構造を構築すべきか、中小企業診断士として50字以内で助言せよ。
A社は、従業員間の役割分担を明確にし専門性を発揮する為、機能別組織体制を構築するべきである。(46字)
第4問(設問2)(配点20点)
現経営者は、今後5年程度の期間で、後継者を中心とした組織体制にすることを検討している。その際、どのように権限移譲や人員配置を行っていくべきか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
後継者は新たな分野への挑戦を行うため、①直営店の販売員や開発部員が新しい発想で新製品開発を進めるため権限移譲し、顧客ニーズを元にした新製品開発を行う。②従業員の希望に応じた適材適所の配置を行う。(97字)